2007/04/22

トンプソンズ Returns

前回のトンプソンズはトミー中心だったので、今回はフレッドの主役で。

自信がなくなると、迷いも生じやすくなる。今の共和党の心境だろうか。

08年の候補者争いに関して、共和党支持者の間で、フレッド・トンプソン元上院議員への期待感が高まっているようだ。元上院議員はまだ出馬を表明したわけではない。しかし最近の世論調査では、そこそこの数字を残している。例えば、4月13~15日にUSA TodayとGallupが実施した世論調査では、ジュリアーニ(35%)、マケイン(22%)に続く、堂々の第3位(10%)の支持を集めた。

共和党議員の関心も高い。4月18日に行われた下院議員との会合には、主催者発表で50~60人(メディア発表は35人)が参加している(Milbank, Dana, "Conservative Republicans Starving for a Thompson Run", Washington Post, April 19, 2007)。

しかし、なぜトンプソンなのか。

たしかに、共和党支持者は、現在のフィールドに今ひとつ満足できていない。ABC NewsとWashington Postが4月12~15日に実施した世論調査では、現在の候補者達で満足しているという回答は65%となり、2月の調査結果(73%)から低下している。対照的に、民主党支持者の場合は80%が満足している。もっとも、民主党支持者の満足度も2月(86%)からは低下しているのだが、それはそれとして。

それにしても、上院議員時代のトンプソンには、それほど目立った実績がある訳ではない。保守的な投票記録は残っているようだが、それも議論をリードしていたというよりは、ついていった方だったようだ。むしろ、「怠惰な政治家」「情熱にかける」などという評価があるのが現実だ(Cottle, Michelle, "Lazy Boy", The New Republic, April 13, 2007)。

もちろん何もしていなかった訳ではない。自分のような「その筋(?)」の研究者からすれば、トンプソンは行政改革に熱心に取組んだ議員として印象深い。しかし「その筋」の人は少ないし、選挙の争点としては、行政改革は余りにセクシーさに欠ける。

一方で、数少ない目立った活動といえば、マケインと一緒に選挙資金規制の改正を支持したこと。保守派が好むポジションではない。実際に、トンプソンとの会合に出席した下院議員達からも、彼の政策スタンスを讃える声はほとんど聞かれなかったようだ。それでも、下院議員達は、トンプソンへの期待感を隠さない(Milbank, ibid)。曰く「滑らかな語り口が良い」「大統領らしい風格がある」…

トンプソンは人気のあるテレビ・ドラマLaw & Orderに、検事役でレギュラー出演している。

やはり、大統領は「見た目」なんですかね…

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