2007/04/15

格差社会の大統領候補

元祖「格差社会」といわれる米国だが、大統領候補はどうだろうか。各候補の資産公開は5月15日だが、3月末にワシントン・ポストが、独自の数字を発表している(Goldfarb, Zachary A., "Measuring Wealth of the '08 Candidates", Washington Post, March 24, 2007)。

ワシントン・ポスト紙の結論は、大筋では予想通りといえば予想通り。トップランナーといわれる候補者は、大勢が資産持ちだという(夫妻で合計した数字)。民主党ではヒラリーが1000~5000万ドル、エドワーズが1280万~6000万ドル。共和党では、マケインが2500万~3800万ドル。ロムニーとジュリアーニは不明だが、ロムニーの場合、20年間のファンド社長としての給与だけで少なくとも5億ドルは稼いでいるし、ジュリアーニも講演だけで年間800万ドルを稼ぎ出し、年間収入が5000万ドル近い投資会社を持っている。

経緯はさまざまだ。マケインの資産は資産家の夫人(父親がHensley & Coの創業者)経由。2004年のケリーと似ていなくもない。エドワーズとロムニーは政治化になる前のキャリアで資産を積み上げた。他方で、ヒラリーとジュリアーニは、政治家としての「経歴」を資産に転嫁させた方だ。クリントン夫妻は、ホワイトハウスを後にしたときには借金があったくらいだ。

また、目立つのは、「本・講演」による収入の多さである。ジュリアーニの講演については既に書いたが、クリントンも大統領を辞めてから講演で4000万ドルは稼いだという。ヒラリー、マケインも印税収入がある。例外的に資産が少ない(100~250万ドル)オバマも、印税収入でだいぶ資産が増えているはずだという。

資産額だけをみると、「格差社会」の問題点を代弁できるのはオバマだけ、という結論になってしまうが、「不正」でなければ資産家であることに寛容なのが米国。むしろ、自分と異なる境遇を理解できてこそ、多様性に富む国の大統領には相応しいのかもしれない。

面白いのは、オバマの「本」に関する契約。Audacity of Hopeは、Random Houseとの包括契約の一環で、このほかにノン・フィクションをもう1冊と、子供向けの本(!?)を1冊書くことになっているという。なんだか「アルバム何枚」で契約するミュージシャンみたいだ。こうなってくると、(ミュージシャンと同じように)「書かなきゃいけないから書く」という本もあるわけで、「このタイミングで出るからには何かある」と勘ぐるのもほどほどにした方が良いかもしれない。

ちなみにオバマへの前渡し金は190万ドル。ヒラリーの「Living History」が800万ドルだから、Random Houseとしては、なんとも美味しい契約である。

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