McMissileとイラク
イラク戦争の米国での体感温度を知るのは難しい。でも、少しずつだが着実に、戦争の重みが染み渡ってきているような気がする。
Washington Post紙にこんな記事をみつけた(Vargas, Theresa, "'McMissile' Moment Lands Mom in Jail", Feburary 18, 2007)。
他愛もない話ではある。高速道路で渋滞につかまった女性ドライバーが、前に入ってきた車に腹を立て、路肩にあがり、追い抜きざまにその車の開いた窓めがけて、氷の一杯入ったマクドナルドのカップを投げつけた。怒った被害者に訴えられたら、「ミサイル」を車に投げつけた罪に問われ、1ヶ月以上拘留された上に、2年間の実刑を求刑されてしまった。陪審員に告げられた、「どのような物体もミサイルと考えられる。ミサイルはどのような力でも発射される。投げることも含めてだ」というインストラクションなどは、「訴訟社会アメリカのあきれた現実」みたいにも思える。
しかし、オヤッと思ったのは、問題の女性の旦那が、「3度目になるイラク派兵に参加している」という記述だ。
あくまでもサラッと書かれた記述ではある。しかし、こんなところにも戦争の影がある。
先週ジョージア州にあるSouthern Center for International StudiesのPeter C. White所長のお話を聞く機会があった。話の本題とは別に、とくに印象的だったのは、同氏が発したイラク戦争に対する強烈な憤りだった。話し出したら止まらない。まさにそういう感じだった。
同所長は、徴兵制だったベトナム戦争と異なり、今回の戦争では一部の国民に負担が著しく偏っていると指摘する。しかし、州兵などにも犠牲が広がる中で、地方の一般庶民レベルにも、戦争を身近に感ずる機会が増えていそうだ。
テレビに写る戦場のような派手さはないが、世論にはボディーブローのように効いてきているような気がする。
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