読む人の身にもなって欲しい...
せっかくかんべえさんに紹介していただいたのに、いきなり短文で終わってしまう今日の書き込みの話ではない(すいません、今更ながら雛人形を飾らなければならないので...どうぞ気長におつきあい下さい)。大統領選挙の話である。
大統領候補は本を書く。これが米国の常識のようだ。
New York Times紙が伝えるところによれば、現状はこんな具合だ(Bosman, Julie, "Time to Throw Their Books Into the Ring", February 22, 2007)。民主党では、ヒラリー4冊、オバマ&エドワーズ2冊、リチャードソン&クシニッチ1冊、ドッド&バイデン執筆中。共和党は、マッケイン4冊、ジュリアーニ&ロムニー&ブラウンバック&タンクレド1冊、ヘーゲル執筆中。
ため息がでる。
候補者にしてみれば、本の出版はメディアの注目を集める手段であるだけでなく、全国で出版サイン会を開けば、選挙の感触を掴む絶好の機会にもなる。また、自伝で過去を「正直」に告白しておけば、選挙中に叩かれた時に、「その問題は私の本で語っておいた」と逃げることも可能になるという。
もっとも、自伝が敵対陣営に攻撃のネタを提供してしまう場合もある。オバマのように、よく知られていない候補は尚更だ。既にオバマの自伝(Dreams of My Father)を題材に、シカゴ郊外での活動家時代の記述で、仲間の功績を軽んじすぎているという論争があった。Los Angels Times紙の記事を発端(Wallsten, Peter, "Obama Memoir Left Out Credits for Activism, Critics Say", February 19, 2007)にするこの論争では、論争の内容よりも、オバマ陣営の素早い反論が印象深かった。これも、蔓延するWar Roomメンタリティーの現れだろう。
それにしても、昨年末に出たヒラリーの「村中みんなで -10th Anniversary Version-」の売上が6,000部というのは、一体どんなものなんだろう。オバマの最新本(Audacity of Hope)がミリオン・セラーというくらいだから、「失敗(flopped)」と書かれるのもしょうがないのだろうけれど、わが身に引き寄せて考えると...
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