2007/08/16

High School Musicalと民主党!?

今日もしつこくローブ・ネタと行きたいところだが、余りに暑いので、今日は軽めに失礼させて頂きたい。一応は「民主党はどこまで行けるのか」という話(?)である。

今週末の米国には一大イベントがある。High School Musicalのパート2が放送されるのである。「それって何?」といわれると辛いのだが、ローティーンの女の子が熱狂的に支持するディズニーのテレビ映画で、グリースを現代風に焼き直したような内容だといえば、イメージが沸くだろうか。あまり触手が動かないかもしれないが、米国ではミュージカルになるほどの大人気(Isherwood, Charles, "A Prayerful Three-Pointer From the Orchestra Pit", New York Times, August 11, 2007)。放映日の金曜には、女の子友達が集まって一緒にテレビを見て、そのまま泊まりがけで遊ぶという光景が、全米各地で繰り広げられる(Steinberg, Jacques, "In-Demand Surprise From Disney", New York Times, August 15, 2007)。

そのクライマックスで使われている楽曲が、We're All in This Together。このタイトル、あろうことか最近の民主党の経済政策のスローガンにそっくりなのである。リベラル寄りのシンクタンクであるESIのJared Bernsteinは自著All Together Nowの中で、ブッシュ政権の経済政策を、個人にリスクを押し付けるYou're On Your Own(YOYO)だと批判する。ここで批判されている経済政策こそが、ローブが共和党支配の時代を導く政策として考えていたオーナーシップ社会構想である。そうではなく、民主党は繁栄をみんなで分け合うことを目指すべきだというのが彼の主張であり、そこで提唱されているスローガンが、We're In This Together(WITT)だ。民主党陣営のなかでも、ESIは中道系のハミルトン・プロジェクトと競争関係にあるが、We're In This Togetherというスローガン自体は、ヒラリーを始めとする多くの候補者に借用されている。

お気付きのように、High School Musicalと民主党のスローガンには、微妙な違い(Allの有無)がある。自らのスローガンが、大人気のテレビ映画にダブるとは、それだけ民主党が時代の風にあっているということなのか。それとも両者の微妙な違いは、民主党が今一歩で時代を掴み切れないという展開を暗示しているのか。

いずれにしても明らかなのは、こんなことまで選挙につなげて考えてしまう自分は、よほど暑さにやられているということである。

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