2008/09/02

Here We Go Again : ペイリン旋風再び

ペイリン知事の副大統領指名は、娘の妊娠騒動を筆頭に、さまざまな情報が乱れ飛ぶ展開となった。マケイン陣営にとって気にすべきなのは、ペイリン知事に対する有権者の評価もさることながら、世論の注目がマケイン・ペイリン陣営に集まってしまった点だろう。夏場にオバマ候補が不調だったのは、世論の関心がオバマ候補に集中し、選挙戦が「オバマ候補の信任投票」の様相を呈したからだ。マケイン陣営も、メディアによる扱いの小ささを逆手にとった。有権者はオバマ候補の「変化」のメッセージを好意的に受け止めつつも、その「見慣れない経歴」から、最後の一歩を踏み出せなかった。

しかし、「ペイリン旋風」は、オバマ候補をメディアから吹き飛ばしてしまった。

オバマ陣営にとっては願っても無い展開だろう。マケイン候補の「判断力」を有権者が注視する時間帯がやってきそうだからだ。実際オバマ陣営は、ペイリン知事の資質ではなく、同知事を選んだマケイン候補の判断を疑問視する戦法を選んだ。先の民主党大会でも、オバマ陣営は、「マケイン候補の意図は真摯だが、判断力に問題がある(分かっていない)」という論法で、マケイン候補の愛国心を問うことなく、その資質を議論の俎上に上げようとした。この点では、ペイリン旋風はオバマ陣営にとって追い風になる。

各種世論調査には、オバマ候補が支持率でやや抜け出した様相がある。オバマ候補の支持率は、バイデン議員を副大統領に選んだ時点で、やや低下した。おそらくヒラリー支持者が幻滅したからだろう。そのヒラリー支持者は、オバマ候補の下にまとまり始めている兆しがある。一方のペイリン候補も、保守派のマケイン支持度を上げることには成功しているようにみえる。

はてさて、ペイリン旋風はどこに落ち着くのだろうか。評価は共和党大会が終わるのを待たねばなるまい。

その共和党大会では、ブッシュ大統領が衛星中継を使って演説をしている。時間帯は東部時間の9時台後半から10時にかけて。主要テレビ局の放送が始まるか、始まらないかの微妙な時間帯だ。中継だけに、観衆の拍手などとのタイミングがつかみ難そうだ。

確かに支持率の低い大統領ではある。それにしても、ここまでの扱いとは...

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