2008/09/04

Happy Soldiers : 共和党大会3日目

昨日のペイリン知事の演説は、なかなかの見物だった。明朗で親しみやすく、かつ、辛らつにオバマ批判、エスタブリッシュメント批判を繰り広げる。ジョークも満載だ(「ホッケー・マムと闘犬の違いを知っている?口紅よ!」)期待と不安が入り混じっていた党大会の参加者は、完璧にペイリン知事に魅了されていた。

驚かされたのは、会場の明るさである。前座で会場を存分に暖めたジュリアーニ知事もそうだが、共和党による民主党批判には、冗談めかして軽くあしらうような風情が目立つ。民主党の共和党批判が、眉間に皺を寄せて詰め寄るような傾向があるのとは大きな違いだ。政策面でも、共和党は明るい雰囲気を振りまきやすい要素があるように思う。「減税、自由貿易で雇用を生む」というメッセージは、「中間層が苦しんでいる」→「大企業から金をとってセーフティーネットを」みたいな議論よりは、前向きに聞こえやすい。「どんどん(資源を)掘るんだ、ペイビー」なんて、民主党にはいえませんよね。

もっとも、こうした「明るさ」が、今の米国の雰囲気に合致するかは別の問題。自宅のテレビからみていると、数年前の党大会の再放送を見ているような違和感があったのも事実だ。ペイリン知事は、確かに共和党の地盤を固める役回りは果たすだろう。しかし、ここ数年の米国では、共和党支持者の数が民主党支持者対比で減っている。地盤を固めれば勝てた2000年、2004年とは違う。ペイリン知事の成否は、無党派・民主党支持層にどこまで食い込めるかにかかっている。

それはそうと、気になったのは、最後に登場したマケイン候補。会場が盛り上がりに盛り上がったところだったが、ニコニコするばかりで、気の利いた発言はほとんどきかれなかった。「演説下手」で通るマケイン候補。大丈夫だろうか...

もっとも、オバマ演説ほどの視聴者を集められるかどうかは未知数だ。夕暮れ時のオフィスには、野外コンサートの音が聞こえていた。フットボールの開幕に併せた無料コンサートが開かれているのだ。ハリケーンに始まり、フットボールに終わる。そんな共和党大会である。

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